サイトアイコン 沖縄県よろず支援拠点

有機農産物の事業展開の支援事例

【相談:健康食品市場の展開へのアドバイス】

宮古島で有機農産物や加工食品を製造・販売している。健康食品市場への展開、家庭で黒糖を作ることができる「手作りキット」も商品化したい。有機無農薬栽培の体験学習も考えている。今後のアドバイスがほしい。

  • 企業名     オルタナティファーム宮古
  • 業種       農業・農産物加工販売業
  • 所在地         宮古島市
  • 資本金         300万円
  • 創業           2012年
  • 従業員           1人

ネット販売 地道に伸長

【回答:土産品市場やネット販売を地道に伸ばすこと】

松本克也代表は「百姓」の肩書で「安全」「安心」「美味しい」「健康」「循環型農業」「持続可能な農業のモデルケース」を志し、無農薬の野菜や果物、サトウキビを生産している。

農産物を加工・商品化し「ベビーマンゴーエッセンス」「しょうが黒糖エッセンス」など、こだわりの商品を開発。ネットで評価が高まってきた。
無農薬・有機栽培のため生産量が少なく、現在は品薄であるが、公設市場など市内7カ所で購入できる。

一番人気の「ベビーマンゴーエッセンス」は、若い摘果マンゴーを自家酵素で自然発酵させて、果実のパワーとマンゴーの旨みを引き出した酵素シロップ。同じく自家酵素を持つパイナップルで、宮古島のアロエを加え、よりおいしく機能性の高い商品を開発するなどバリエーションを広げ、健康市場に進出したいと意欲的である。

確かに健康市場は11~12兆円市場と言われるほど大規模だ。
しかし、ナショナルブランドの健康食品メーカーや大手通販会社が莫大な広告宣伝費を投入、つくり出している市場で、参入するにはコストとリスクが伴う。今人気のある土産品市場やネット販売を地道に伸ばすことを薦めた。

一度使えば商品の良さがわかり、ネット販売でリピーターが徐々に広がる。消費者とつながるためにはWEBでの情報発信が重要で、ホームページとSNSで情報を拡散すればよい。健康への裏づけ、エビデンスを伝えることが大事である。

自家栽培のパパイアも酵素食品として商品化できないか。マンゴー、パイナップルを含め一連の酵素シロップのシリーズ化で、選択肢が広がり購買可能性が高まる。一方、家庭で作る「黒糖手作りキット」の商品化は市場ニーズを調べて判断すべきである。

子供たちや観光客向けの体験学習は良いと思う。宮古島でサトウキビの植え付けを体験してもらい、成長過程を画像や動画でネットで伝え、1年後に再訪して収穫、黒糖作りまでをパッケージ化する。魅力のある体験型のビジネスモデルになるだろう。

※この記事は2015年5月10日の沖縄タイムス(日曜版)『よろず支援拠点カルテ@沖縄』からの転載です。

モバイルバージョンを終了