【相談：度数が５９度になっている「どなん」はどうしたらいいか？】

【相談内容】主力商品である「花酒どなん60度」のアルコール度数が１度下がっていた分を充填せずに17年間寝かせてきた。この古酒を商品化し販売して行きたい。どのように売り出すか、パッケージや販売方法などについてアドバイスが欲しい。

【内容：貴重な数量限定の酒】

同社は島でとれるクバの葉を使ったクバ巻きボトル「どなん」で知られる日本最西端の与那国島の酒造所である。花酒「どなん６０度」は与那国島だけで製造される国内最高度数の酒の一つ。花酒（はなざけ）とは、泡盛を蒸留するとき最初に出てくる酒（初留液）のこと。比類なき純度の高さは日本酒で言えば「一番搾り」にあたる芳醇で香り豊かな泡盛である。

県内でも与那国島でしか作られない希少な酒なのだが、度数６０度を謳っている為それ以下の度数は「どなん６０度」の商品としては出せない。現在の工場へ移転した時に、蒸留した酒がタンクの中で熟成されたまま度数が５９度になっていることが判り、「どなん６０度」としては出荷が出来なくなってしまった。工場の片隅で静かに眠り続け、気がつくと１７年の歳月が過ぎていた。長期貯蔵で熟成されたこの酒をどのようにしたら良いかという相談だった。

花酒は６０度というアルコール度数の高さから、さわやかだが飲んだ瞬間はのどが熱くなる。この長期熟成された５９度の酒は、何とのど越しがまろやかに仕上がっていて旨みさへ感じる。貯蔵されている量は７２０mlのボトルで約９００本分。数量からしてもかなり貴重なお酒であることは間違いない。

商品化に当たってはラベルもこだわり、古代を彷彿させる与那国の象形文字をデザイン化し５９を強調、ボトルタグで熟成年数を表わした。今年は「長期熟成十八年」のタグが付く。

現在は与那国島の同社工場での販売が中心となっている。よろず支援のアドバイスとして、希少な商品であることから販売先や販売数量を限定して展開して行くことを提案した。ネット通販による直販の強化を行うこと、それ以外でも販路を限定していくことにした。しかし自社サイトの認知度が低いため、全国商工会連合会の「ニッポンセレクト」のWEBサイトや、東京の銀座わしたショップの泡盛コーナーで販売していくことを薦めた。世界で９００人しか入手できない希少な酒。それを手にした人の笑顔を想像するのもまたうれしい。

問い合わせは国泉泡盛合名会社、電話0980-87-2315

（県よろず支援拠点コーディネーター・金城力）

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