東京に出店したい

 

【相談内容:東京のに出店したい】

東京の知人から飲食店向けの物件が空く予定なので出店しないかとの打診があった。長年食品の卸・小売販売を 営んできたが、最近は売上が伸び悩み、利益率も低い。客の多い東京で利益率の高い飲食店をやれば、売上・利益ともに伸びると考えている。店の企画、経営方 法、資金調達などの相談に来た。

相談事業者基本情報

・企 業 名   T店
・業   種           食品販売業
・所 在 地           那覇市
・資 本 金           なし(個人事業)
・創   業           1994年
・従 業 員           8名

 

【回答

生鮮から加工食品まで幅広く食品の卸し販売や、量販店でのテナント出店で小売販売を行ってきた。規模も小さいので、卸の利幅は少なく、直売でもテナントの出展料が高くて、なかなか営業利益を確保するのが厳しくなってきている。そこに東京に住む知人から都心で飲食店をやらないかという話が来た。東京という初めての土地で、業態も違う飲食業をやっていけるか不安だが、今の経営状況を打開するには新分野へ展開も選択肢の一つである。

まず、飲食店と言っても多岐にわたる。食堂か居酒屋か料亭か酒場か、洋食か和食か中華か、エスニックか沖縄料理か、などなど。まずは店のコンセプトづくりから一緒に考えた。長年食材を扱ってきている経験から、食堂なら無理なくできるはずである。オフィス街に近いのでターゲットはサラリーマン・ウーマンであること。高価・高級である必要はないこと。安くて、おいしくて、食べた後元気働ける料理であること。東京では他の飲食店と差別化できる「沖縄風食堂」にすることにした。

また、物件の状況を確認する必要がある。都心部で、繁華街ではないがオフィス街の周辺部に当たり、昼夜ともに人通りはある。築40年の小さな5階建てビルの1階、間口は2間で広さは10坪、窓はない。28年間喫茶店として営業してきた。店内は厨房とカウンター、16席の客席がある。家賃は月20万円。家主への敷金以外に、営業譲渡金として300万円が必要だという。少し古いが路面店である割に毎月の家賃は高くないと思う。設備・備品はまだ使用可能なので、そのまま居ぬきで借りれば、開業資金は抑えられる。

ターゲットはオフィス街のサラリーマンとOL。ランチをやれば徒歩3分圏内のオフィス街からの集客も可能である。今のサラリーマンのランチ代は平均510円という。16席で、昼4回転で客単価500円として32000円、夜は酒と料理で、4回転で客単価2500円として160000円、20日営業で384万円。土曜日の営業を約80%とみなして、毎月400万円の売上を目標にすれば年間4800万円になる。自社で扱っている生鮮品から加工食品までを原材料として供給していけば原価率はかなり低減できる。狭い店内なのでスタッフも2~3人で充分である。広告宣伝や販促費も毎月計上できる売上規模は確保できそうである。集客と回転率が上がれば自ずと売り上げは上がる。これらの目論見をベースに経営計画の骨子を作成した。あとは認定支援機関の税理士等に事業計画書を作成してもらい、金融機関と交渉して資金の調達を図ることになる。

あとは調理人などのスタッフを募集することと、食品衛生責任者、防火管理責任者等の資格を取得して、保健所、税務署等への必要な届け出を法律に従って提出していけばよい。 手続きや開業準備は決められた手順通りにすれば良いのだが、何よりも大事なことは集客とリピーターづくりである。

相談者から不安な様子は消えて、新分野にチャレンジする意欲が目の輝きに表れていたことがうれしかった。

 

 

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