【相談:直接貿易で気を付けなくてはならないことは?】
糸満産のフルーツパパイヤを使ったジェラートとジャムを開発。
国内市場が縮小していることを考慮し、台湾への進出を計画している。
貿易実務、メリット、課題が知りたい。
相談事業者基本情報
企業名 J-アヴァンス
業種 加工食品の製造販売
所在地 糸満市
資本金 300万円
創業 2011年
従業員 3人
【回答:直接貿易と間接貿易の判断材料となる情報を数多く収集すること】
平成26年2月に糸満市地域雇用創造推進協議会の依頼で、糸満産フルーツパパイヤを使った「ジェラート」と「完熟パパイヤジャム」を共同開発。「完熟パパイヤジャム」は香料などを添加せず、ラム酒で深みを引き出し、素材の風味を引き出した。
容器はスタンドパック、スプーンなど使わず直接パンやクラッカーにのせられる使いやすさ。
この商品の強みを生かした販路先を、成長する台湾市場に目指した田中裕丈取締役は、父の知人である台湾企業との商談に向け、卸業者を入れない「直接貿易」を検討。ただ、貿易経験がないため不安があるという。
①卸の中間マージン(手数料など)が発生せず、利益をコントロールできる
②自社で流通チャネルをコントロール
③貿易ノウハウをを蓄積できる
①小ロットだと輸送コストが高くつく
②営業コストがかかる
③料金支払いや期間をめぐる決済リストの発生
④煩雑な輸出手続き
台湾への物流環境の説明
- 常温品は他社商品との混載サービスがある(50ケース程度からでも採算に合う)
- 冷蔵・冷凍コンテナは混載サービスなし(20フィートコンテナに満載できないと利益確保できない)
同社は小ロットの輸出が予想されるので、商談では日本企業との取引の有無、取引があれば、既存の物流の仕組みにうまくのせられるのか確認。それができれば物流の課題がクリアになる。
物流以外にも、決済条件や輸出手続きの手配などの取引条件も詳しく聞くことも重要。判断材料を多く集めることで、直接貿易と間接貿易、いずれを選択すればよいのか明確になる。商談後は課題を整理し、取引開始に向けた戦略の策定、実務面のサポートを継続していきたい。
※この記事は2014年10月26日の沖縄タイムス(日曜版)『よろず支援拠点カルテ@沖縄』からの転載です。