効果的な広報、集客方法の支援事例

【相談:効果的な広報、集客方法が知りたい

子供から大人まで誰でも学べる音楽教室を開いているが、この2~3年の間で生徒数が減ってきている。新規生徒獲得のためにチラシを作成して新聞折り込みやポスティング等しているがあまり反応が無い。自分で作っているため内容に自信が無い。効果的な募集方法やチラシの作成方法をアドバイスしてほしい。

相談事業者基本情報

●企 業 名   ダイトウ音楽院
●業   種           音楽教室
●所 在 地           宜野湾市
●資 本 金           個人事業
●創   業           1975年
●従 業 員           3人

内容:自身の魅力と強みを的確に打ち出す】

ダイトウ音楽院は音楽教室のほかに楽器販売も行っており、創業40年の歴史がある。
開業当初は楽器販売が主で、音楽教室は付属的なものであった。
徐々に両者の売上額が逆転し、今では音楽教室の事業が柱となっている。
レッスンは大手音楽教室のグループレッスンとは異なり、生徒1人に対して講師1人が付き、1対1で丁寧に指導をしている。
また、多様な講師を抱えており、ピアノからチェロ、ハープ、二胡、その他18もの楽器が学べるコースを開設している。音大並みのメニューは他にはない特徴のひとつである。

しかし近年の少子化に伴い、音大卒でも仕事のない音楽より学習塾へ行かせる傾向で生徒数が減少。また同じ地域に大手音楽教室が進出し、競合で新規入会者の獲得に苦戦している。
2月から5月は新規入会者の獲得時期にあたる。新聞広告を出し、経営者自身が手さぐりで募集のチラシを作成して周辺にポスティングしている。

新聞広告は文字が小さく内容が判別しにくい。
作られたチラシは『生徒募集』の大きな文字と子供がピアノを弾く図柄がかわいく、子供向けピアノ教室ならば親しみやすい。
しかし豊富な楽器のコースや、大人でも初歩から学べる教室の特徴や強みがうまく伝わらない。

集客には情報発信が重要である。まず教室の良さを伝えること。
活用するのはチラシとホームページとブログやフェイスブックなどのSNS。
専門家派遣制度を活用してデザイナーにアドバイスしてもらい、チラシを手に取った方がイメージできるように、個人レッスンの風景や発表会の写真などを見せるようにした。

見出しも生徒募集を謳うのではなく「今日から音楽生活」とライフスタイルを提案する言葉にした。また、各科を「開設コース」とする等で初心者でも気軽に問い合わせできるような表現にした。

チラシや新聞広告はあくまで見やすく、情報を詰め込みすぎないようにし、その代わりにホームページアドレスを見やすく表記、詳細はホームページに掲載した。

併せてフェイスブックを開設し日常の練習風景や発表会の風景等を配信する事で効果的に連携させ、絶えず情報発信し、広報、集客につなげる仕組みを作った。
あまりコストをかけない方法ではあるが、改善を始めてからわずか1か月足らずで効果が見え始め、現在では問い合わせが十数倍となった。

教室の魅力と強みを的確に打ち出した広報活動で一定の集客効果を得た。
今後は入会して頂いたお客様に長く在籍して頂く事が課題だ。

丁寧な指導方法と優秀な講師を有し、何よりも、生徒同士で結成したバンドで発表会を行ったり、地域の飲食店でミニライブを開催したりと、アットホームな雰囲気もダイトウ音楽院の魅力のひとつである。
楽しい音楽生活を提供できるから課題も越えられると確信する。

遅ればせながら、私も音楽を始めてみようかと思う案件であった。

*この記事は2015年3月8日の沖縄タイム(日曜版)『よろず支援拠点 カルテ@沖縄』に掲載された記事からの転載です。

 

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