「島豆腐めん」全国への販路拡大の支援事例

【相談:繁多川地域ブランドを開発した。全国展開したい】

琉球王朝時代から続く繁多川の島豆腐製造業者が激減。繁多川の地域ブランドを再興するために事業協同組合を設立
島豆腐麺のそうめんとうどん「琉球の白弦」を開発した。全国展開への支援をお願いしたい。

  • 企業名   沖縄繁多川島豆腐めん事業協同組合
  • 業種      島豆腐関連商品開発販売事業
  • 所在地          那覇市
  • 資本金          40万円
  • 創業           2014年
  • 従業員          2人

試食展開 販路広げる鍵

【回答:繁多川ブランドを県外に向けて照準を合わせる】

那覇市繁多川は湧き水が豊富で、琉球王府をはじめ首里那覇の街への豆腐の供給を担ってきた地域である。

しかし、数十年前には50店舗以上あった豆腐屋も今は3軒にまで減少。
県全体の島豆腐消費量の減少は、マチヤグァーの消滅や価格競争の激化なども要因と考えられるが、和風の木綿豆腐や絹ごし豆腐の普及など食文化の変化も大きな要因の一つだろう。

残った3店舗をはじめ、地域の伝統産業の衰退に危機感を抱いた繁多川の人々は、食文化と密接に関連する島豆腐と、歴史ある島豆腐製造産業の維持・継承を目的に活動を開始した。地域ブランドの確立と地域活性化を目指し「沖縄繁多川島豆腐めん事業協同組合」を設立。那覇商工会議所の全国展開支援事業を活用して商品開発に着手した。

県外では販路開拓を視野に、沖縄そばではなく、全国で食されるうどんとそうめんに照準を合わせた。日本を代表する麺づくりの本場、奈良県三輪の有名な麺師六代目・山下勝山師の指導を受け、島豆腐の味わいを残しながら、なめらかな食感とほどよいコシのある麺が完成した。

高品質な製品はできたが、課題は販路である。県内では一緒に事業に取り組んだリウボウの店舗のほか、ショップなはや地元のJA繁多川支店でも買うことができる。壷屋の智方家(さとみや)で食べることができる。

県外ではイトーヨーカドーでの取り扱いが決まった。主要10店舗で試食販売などを展開することが決まり、販促活動の経費を軽減するため、県産業振興公社の県産品拡大展開総合支援事業などの活用を薦めた。

島豆腐麺づくりは、在来種の青大豆配合の島豆腐作りを推進するため、青大豆生産者組合を設立。組合には地域の授産施設を組み込み、域内の小学校では食育の一環で、給食に島豆腐と島豆腐麺を積極的に活用することになった。

繁多川島豆腐麺は地域の人々の想いと願いが込められた商品。
ぜひ一度は食してほしい。詳細は同事業協同組合のホームページ、問い合わせは☎098-835-0404

※この記事は2015年5月3日の沖縄タイムス(日曜版)『よろず支援拠点カルテ@沖縄』からの転載です。

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