【相談:質の高い介護に必要な人材・設備・運転資金を確保するためには】
【相談内容】 障がい者向けの訪問介護事業を始めたが、予想以上に開業資金がかかり資金繰りが厳しい。
介護サービスの維持のためスタッフの確保も必要。設備資金や運転資金、人材確保についてアドバイスしてほしい。
相談事業者基本情報
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- 企業名 かたちゅむり
- 業種 訪問介護事業
- 所在地 嘉手納町
- 資本金 500万円
- 創業 2013年
- 従業員 16人(パートを含む)
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【回答:制度の活用で借り入れ】
訪問介護事業所かたちゅむりの玉城尚武所長は長年介護事業に携わり、いかに現場の介護の質が、障がい者の生活の質を左右するかを痛感している。同時に介護スタッフの仕事の大変さも理解し、スタッフの募集は慎重に行ってきた。今は質の良い介護サービスを実現するべく、スタッフのスキルアップを図りながら利用者の拡大を目指している。
資金繰りについては、開業間もないため「新創業融資制度」の対象になると判断。新制度利用の申請に向け、事業計画書の骨子作成をサポートした。地元の商工会に相談し、経営指導員の支援を得ながら、金融機関に書類を提出。申請額は減額されたものの、設備資金と運転資金の一部は借り入れのめどがついた。
人材についてはその都度相談に応じ、現在はスタッフに恵まれ、一定の介護サービスの質を確保できている。
将来のことも考え、短期・中長期の視点で人材確保の具体策を検討した。
即戦力となるヘルパーの確保は、同社の介護サービス提供エリア内の人材が必要なことから、求人誌などでの広域的な募集ではなく、戸別ポスティングによる求人に切り替えた。まだ採用には至ってないが、問い合わせもあり、新たな人材を確保できそうである。
また、障がい者の生活の質(QOL)の向上のため、介護の質の向上を目指す同業所として、どのようなアプローチをすれば、良い人材を集められるかも検討した。
中長期的には採用に加え、育成も重要との認識から、介護関連の専門学校などからインターンシップを受け入れることを決めた。
さらに、これからの介護の仕事を目指す一般の方をボランティアスタッフとして受け入れ、介護の知識と技術を習得してもらう場を提供していく。これらを実践することで、自社だけでなく業界全体の人材育成に寄与できると考えている。
障がい者に寄り添い、スタッフの待遇とスキルアップを図り、地域全体の介護の質を高めていこうとする玉城所長の取り組みに期待したい。
※この記事は2014年11月09日の沖縄タイムス(日曜版)『よろず支援拠点カルテ@沖縄』からの転載です。