新たな販路を開拓したいという支援事例

【相談:成約に結び付く販路先は】

乾燥梅干しを中心に、良い商品づくりに集中してきた。しかし、既存の販路だけでは売り上げ増になかなかつながらない。
展示などで県外や海外の販路開拓に臨んでいるが、成約に結びつかない。助言が欲しい。

企業名      シーワン
業種      菓子製造業
所在地      南城市
資本金      2千万円
創業       1994年
従業員       13人

 店舗訪ねて積極営業を

 

【回答:強みを自覚、活用し営業を】

シーワンは乾燥梅、黒糖、あめの3種類の菓子が製造できる沖縄では数少ない菓子メーカーだ。
梅を飴で包み込んだ「ドラゴン梅」は、子供からお年寄りまで愛されるロングセラーになっている。
多彩な商品を徹底した衛生管理下で製造できる体制が整っている。

同社の商品は県内スーパーなどで見かけるが、まだ扱っていない店も多い。できる限りすべての店舗に足を運び、営業するよう薦めた。
定着しているように見える売り先でも、いつの間にか売り上げが減っている事がある。
売り上げを維持し、さらに伸ばすには、常に新たなポップやプロモーションの提案など、地味な営業活動が最も大切である。

店舗へ直接足を運び、店長や担当者との関係をつくれば、商品を気に掛けてもらえる。
店頭で食品販売などを行えば、新たな顧客を掘り起こすことができる。消費者の声を直接聞けるので、商品開発や改良に生かす事もできる。

一方で、高い技術力や整備された生産体制を生かし、積極的に相手先ブランドによる生産(OEM)受託の営業を行う事も提案した。沖縄物産の取り扱いを希望する県外企業とのマッチングを試みた。

全国の牛乳配達会社と連携しチラシを媒体に通信販売を行う会社。顧客は50代以上の高所得者層、比較的高いレスポンス率が魅力。
ただ、独自の物流システムとシビアな納品機関に対応しなければならない。シーワン社は経験や物流とのネットワークを生かし、条件を十分にクリアできると判断した。

マッチングの結果、夏の根中小対策として「塩黒糖」と「金の飴」の取り扱いが決まった。さらに強みである衛生管理、幅広い商品の生産体制、柔軟な対応が高く評価され、将来的にはOEM委託加工も視野に入れる事になった。

自社では当たり前と思っていても、他社との比較では優位なケースがある。強みを自覚し、武器にする事がカギだ。この武器を活用して新たな販路を開拓し、既存の売り先を大事に営業活動を続け、着実に売り上げを拡大させていく事を期待している。

※この記事は2015年3月29日の沖縄タイムス(日曜版)『よろず支援拠点カルテ@沖縄』からの転載です。

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