CASE331 石垣牛の皮で独創的な靴作りたい

石垣牛の牛革で作った靴を手にする赤嶺勤さん

【相談:石垣牛の皮で独創的な靴作りたい】

 

相談事業者基本情報

●企 業 名 赤嶺勤
●業   種 シューズデザイナー
●所 在 地  那覇市
●資 本 金 個人事業
●創   業 1989年 
●従 業 員 なし

【相談内容】

相談者の赤嶺勤さんはシューズデザイナーとして東京やパリなどで活動してきたが、2年前に母の介護を機に沖縄へ帰郷した。靴のデザインを継続し、石垣牛の皮など県産素材で作りたいと思ったが、多くの問題にぶつかっている。

【内容:熟練製造者との連携鍵】

赤嶺勤さんは東京を起点にフランス、イタリア、スペインで靴のデザインを手掛け、店も構えた経験もあり、日本を代表するシューズデザイナーである。
 30年以上の職歴で一貫しているのは、デザインした後、それを生かせる技術を持った靴職人の考えを尊重し、ともに独創的な靴を作り続けていること。昨年秋には日本を代表するセレクトショップ「H.P.FRANCE」からの依頼で、東京開催の皮革イベントに靴を出品している。
 沖縄でも活動を始めようとした矢先に、革製品製造の課題の多さに気付かされたと言う。沖縄では食肉処理後の牛皮の大半は、産業廃棄物として処理されている。皮革製造の前処理となる塩漬けを手掛ける企業はあるが、後の薬品処理、なめし工程を請け負う会社が沖縄にはない。
 そこで兵庫県姫路市の皮革製造業者を捜し当て、紹介したところ、何とその業者は相談者と靴を通じた旧知の仲であるとのこと。それだけはなく肉牛として飼育された牛皮の問題点や、沖縄の状況もよく把握しており、石垣牛の皮革製造を快諾してくれた。仕上がりはイタリア、中国製と比べて品質や価格の面での懸念もあったが、問題なく商品化できることもわかった。

石垣牛に限らず沖縄は畜産業が盛んである。新型コロナウイルス感染拡大に伴う飲食店の休業・時短営業により、牛肉の消費は落ち込んだが、廃棄されていた牛皮が商品化できたことは、畜産業の新たなビジネスモデルとして可能性を感じる。
 SDGs(持続可能な開発目標)にも通じる赤嶺さんの挑戦を応援したい。問い合わせは赤嶺さん、電話090(3404)0446。

 

県よろず支援拠点コーディネーター・嘉数純)

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098-851-8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

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