【相談:新規入会者を増やしたい】
創業10年目の結婚相談所で、これまでまじめに結婚を考える男女をサポートしてきて多くのカップルを誕生させてきた。最近成婚率は横ばいだが、問い合わせや来所者が減少し、新規入会者も減っている。新聞広告のデザインを変えてみたが、それでも客は増えない。競合の本土の大手同業者の市場参入やターゲット層のニーズの変化なども考えられるが原因はわからない。どのような対策を立てるべきか相談したい。
相談事業者基本情報
企 業 名 ゆいしあわせ結婚相談所
業 種 サービス業
所 在 地 那覇市
資 本 金 300万円
創 業 2005年
従 業 員 2人
【回答】 <広告デザインの工夫とネットの活用で集客力アップ>
同社の強みは、相談者に安心感を与える代表の宮城定昌氏の温厚な人柄と、誠実に顧客本位の事業展開をしてきている点にある。「結婚がゴールではない。その後の生活のことを考えていつもアドバイスをしている。」と宮城氏は言う。そんな人柄なので口コミでの紹介も多く、顧客の満足度も高い。
サービス品質に問題はなく、新規の資料請求や来所者の減少は、広告や情報発信など集客手法に原因があると判断した。これまでは、ターゲットである結婚相談対象者はネットで情報収集していて、親は新聞広告を見て問い合わせをしてくることが多いという。また新聞広告を見た親が子供に薦めても、本人は必ずネットで確認して来所することが多いこともわかった。このことから親や親せきなどが見る新聞広告と、相談対象者向けのネット広告を使い分け、それぞれターゲットに応じて強化することにした。
同社は来所する相談者に対しては細心の配慮で対応している。預かったプロフィールは対象者以外には絶対に閲覧できないようにし、事務所内では相談に来た会員同士が顔を合わせることがないよう最大限注意を払っている。また、営業時間を22時までとし、仕事をしている人が利用しやすい時間に対応している。さらには、模擬お見合いを通して、良い第一印象や礼儀作法などのお見合いマナーを教え、成婚率の向上のみならず、立居振舞いや品格の向上にも力を入れている。広告ではこのセールスポイントがターゲットに伝わるようにすることを第一の目標とした。
まず、新聞広告を検証するため最新版を確認したところ、ここで結婚相談ができることを伝えたいのにそれが伝わりにくい内容になっていた。解りやすくするため、「結婚相談」の文字を大きく見やすくし、安心感を与えるため、対応する宮城代表の顔写真を載せた。背景や地図も見やすくするなどデザインの改善点をアドバイスした。
次にネット広告については、専門家を派遣してホームページとブログ、SNSを連携させた集客策で情報発信力の強化を図った。記事の書き方やタイトルの付け方、効果的な写真の見せ方など細部に亘って専門的なアドバイスをしてもらい、アクセス数を飛躍的に伸ばすことができた。
上記改善の結果、新聞広告やネット広告を見たという資料請求件数が2倍以上になるなどの大きな反響があった。少子高齢化や独身人口の増加という、結婚自体が減少している社会環境の中で、同社はこれからも充実した「結婚行動」のサポートができると喜んでいる。